Focus Entertainmentが手掛ける新作タイトル「Warhammer 40,000: Space Marine 2」(PC / PS5 / Xbox Series X|S。以下,WH40K SM2)が,2024年9月9日に発売される。
WH40K SM2は,2011年に発売された「Warhammer 40,000: Space Marine」の続編にあたる作品だ。ミニチュアゲーム「Warhammer 40,000」(以下,WH40K)を原作とするTPSシリーズで,プレイヤーは
スペースマリーンの一員となり,宇宙の彼方から出現した異種族との戦いに身を投じることになる。
本作にはシングルプレイのキャンペーンモードに加えて,オンラインで仲間と協力して戦うPvEモード
「オペレーション」,PvPモード
「エターナル ウォー」などが用意されている。その中からシングルプレイの内容を中心に紹介しつつ,オンライン要素についても少し触れてみたい。
Warhammer 40,000: Space Marine 2 - Heed the Call of War
押し寄せる敵を重火器で薙ぎ払い,チェーンソーでぶった切る! 最高のスペースマリーン体験がここに
戦いの舞台となるのは,西暦4万年に至った遠未来の世界だ。かつて銀河統一に迫った英雄的指導者「皇帝」が意識を失い,人類の国家“帝国”は,皇帝を神格化した宗教国家へと変貌。超人兵士軍団
「スペースマリーン」を率いて,あらゆる外敵と聖戦を繰り広げる狂気の存在となった。
Space Marineシリーズにおける“外敵”にあたるのは,宇宙にはびこる異種族(ゼノ)の1つ
「ティラニッド」だ。あらゆる生物を栄養として貪り尽くすティラニッドは,生きる災厄として宇宙を放浪している。
そんな狂った殺戮生物と,狂った宗教国家が真っ向からぶつかり合うのが,WH40K SM2なのだ。
Warhammer 40,000: Space Marine 2 - Gameplay Reveal Trailer | The Game Awards 2022
世界観は原作であるWH40Kに準拠しており,ゲーム内ではけっこうな量の設定やキーワードが説明無しにポンポン出てくる。すべてを設定の根っこから理解する必要はないが,前作から地続きになっている要素も多く,人によっては「置いていかれている」と感じてしまうかもしれない。
とはいえ,前作の日本語版を今から遊ぶのはなかなか難しいだろう。興味を持った人は,4Gamerが2011年に掲載した前作のレビューや,WH40K公式サイトをチェックしてみてほしい。
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2011年10月27日にサイバーフロントより発売された,「ウォーハンマー40,000: スペースマリーン」のレビュー記事を4Gamerに掲載した。シリーズ初のSF TPSである本作は,いち兵士の視点でウォーハンマー40,000の世界を楽しめるのが特徴となっている。本シリーズの知識ゼロでも問題なく遊べる,完成度の高い良質TPSだ。
[2011/11/03 00:00]
- キーワード:
-
PS3:ウォーハンマー40,000: スペースマリーン
- PS3
- アクション
- TPS
- シングルプレイ
- Relic Entertainment
- SF
- サイバーフロント
- ファンタジー
- 戦争物
- 北米
-
Xbox360:ウォーハンマー40,000: スペースマリーン
- Xbox360
-
PC:ウォーハンマー40,000: スペースマリーン
- PC
- レビュー
-
ライター:Chihiro
公式サイトはページ遷移時に言語が切り替わってしまうことがある。きちんと日本語の説明があるので,右上の言語切替欄で変更しつつ読み進めてほしい
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まずは,ストーリーを追いかけるキャンペーンモードを進めながら手触りを確かめてみた。
操作システムは一般的なTPSと同様,かつ最近の流行であるパルクール的な特殊アクションは少なめなので,近年の作品としてはかなりシンプルにまとまっている印象を受ける。
難度は「イージー」「ノーマル」「ベテラン」「死の天使」の4段階。高難度モードほど敵の攻撃頻度が上がり,落ちている補充用アイテムが少なくなる
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一部の固有名詞に怪しい日本語訳はあったものの,キャラクターのセリフなどは違和感なく読み進められた。主人公「タイタス」の声は大塚明夫氏が担当し,モブキャラの細かな音声もきちんと収録されている。音声に力が入っているのも注目ポイント!
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武器はWH40Kらしく豪快なものが多く,どれも撃っていて気持ちがいい。ただ,アサルトライフルやマシンガン系の武器は弾丸の拡散が凄まじく,しっかりと狙ってヒットさせるのは難しそうだと思っていたのだが……。
実際に戦ってみると,そうした不安は吹き飛んでいった。
津波のように押し寄せ,画面を埋め尽くす超大量のティラニッドを撃退するには,
エイムとかの細かいことを考えている余裕はないからだ。一度に出現する数が多すぎるので,敵がたくさんいる方向を撃てばとりあえず当たってくれる。
一番最初のステージでこの物量。しっかりと敵を狙うより,敵集団の位置や密度,混在しているエリートの種類を判別して戦い方を考えることが重要だ
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とはいえ,ざっくばらんに撃ちまくるだけの大味なゲームなのかというと,実はそうでもない。プレイヤーの技術が生きる要素は,エイムとは別の部分に用意されている。
とくに重要なのが,
弾薬管理の要素だ。敵が多いだけあって,適当に撃っていると弾薬が足りなくなってしまう。弾が切れたら補給やリロードを行う必要があるが,リロードの“隙”は長めに設定されているので,迂闊に前線まで出た状態で弾切れを起こすと一瞬でタコ殴りにされてしまう。
敵の群れとの距離感をうまく調整し,リロードが必要になる前に距離を取り,状況に応じて近接武器も併用しつつ戦うのが基本というわけだ。一緒に戦ってくれる味方NPCもかなりタフなので,位置取りも考えれば生存率が上がるはずだ。
近接攻撃がかなり強力なので,距離が近い場合は武器で立ち向かったほうが効率がいい
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しかし,とんでもない物量の攻撃をすべて防ぎ切るのは難しい。そこで登場するのが,敵の近接武器を弾き飛ばして反撃に転じる
「パリィ」,ダメージを受けてスタンした一撃で敵を葬り去る
「処刑」というシステムだ。
いずれも,敵に接近しなければ使えないリスクの高いシステムだが,パリィや処刑を成功させると演出が発生して,一時的な体力であるアーマーが補充される。それを利用すれば,敵陣真っ只中で大立ち回りを演じつつ生還することも可能だ。
広範囲を攻撃する巨大な銃を乱射し,冗談のようなデザインのチェーンソーソードを振り回しながら敵陣深くに切り込み,弱った敵をザクザク処刑していく。この爽快感は圧巻の一語に尽きる。
豪快さと緊張感のバランスが良く,WH40Kにおける“死の天使”ことスペースマリーンの戦いぶりを見事に表現した戦闘システムだと感じた。
パリィで反撃できる攻撃が放たれた場合,キャラクターの周囲に青いエフェクトが表示される
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赤いエフェクトが出る攻撃は「パリィ不可能」。たいていの場合は高威力の攻撃なので,直撃すればスペースマリーンといえど無事では済まない。回避に成功すれば反撃に転じる機会になるので,しっかり注視しておこう
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敵を切断し,爪を引っ剥がし,串刺しにする力強い処刑アクションの数々は必見。敵の種類や状況によってアクションが変わるので,いろいろな相手と戦いたくなる
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6つのクラスを使い分けて戦うPvEモードを体験。1人でも遊べるが,難度はかなり高めに
続いて,オンライン協力プレイをチェックしていこう。オンライン用のミッションはシングルプレイのキャンペーンモードとは分離されており,いずれかに注力する形でプレイできる。
操作キャラクターも異なり,キャンペーンモードでは多彩な武器を使いこなすタイタスが主役だが,オンラインではプレイヤー自身がスペースマリーンの一員として戦うことになる。今回プレイした限りでは,相互の関連性などは見出せなかったので,基本的には別物と考えたほうが分かりやすいだろう。
オンラインプレイ用のミッションは,メインストーリーの裏で展開されていた物語などを描く内容だ。キャンペーンモードの進行状況次第ではネタバレになってしまうので,注意しながら進めたいところ
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オンラインのミッションに参加できるプレイヤーは最大3人だ。各プレイヤーは
6種類のクラスから1つを選んで,チームに加わる形となる。
クラスはそれぞれ装備やステータスが異なるだけでなく,固有のスキルを所持している。チーム内には同一のクラスを複数投入できない仕様になっているので,仲間と相談してバランスの良いチームを構築しよう。
各クラスの特徴は,以下のとおり。
クラス |
スキル |
特徴 |
兵士 |
アウスペクスキャン |
指定した範囲をスキャンして隠れた敵を発見しつつ,範囲内の敵へのダメージを向上させられるサポート系のクラス。武器のバランスが良く,組む相手を選ばないのも強み |
アサルト |
ジャンプパック |
高い機動力を生かした戦いを得意とするクラス。遠くから射撃を繰り出してくる敵を先んじて倒したり,高所から攻撃を叩き込んだりと,アグレッシブな戦闘を楽しめる |
前衛 |
グラップルランチャー |
強敵にグラップリングフックを打ち込み,一気に距離を詰めて撃破する電撃戦が可能なクラス。勢いを利用した高威力のダイビングキックを活用すれば,一気に大ダメージを与えられる |
ブルワーク |
戦団旗 |
味方を回復する強力なスキルと,敵の攻撃を受け止めるシールドを持つ支援寄りのクラス。傷ついたチームを立て直せるだけでなく,自ら剣を振るって戦うこともできる |
スナイパー |
カモ・クローク |
スキルで自身の姿を隠しつつ,スナイパーライフルで敵の主力を撃破していく暗殺者のようなクラス。大群を指揮するボスを的確に見抜く観察眼が問われる |
ヘヴィ |
鋼鉄の光輪 |
シールドを張る強力なスキルと,重量級武器による大火力を両立した豪快なクラス。機動力に欠ける部分はあるが,大群との戦いで前線を維持する能力は非常に高い |
クラスごとに経験値が設定されていて,パークツリーを進めることで武器やスキルを強化できる
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オンラインモードにおいても,基本的な遊び方はキャンペーンモードと変わらない。提示された目標地点に向けて探索し,そこに出現する敵を殲滅していけば,自然とミッション達成へと向かっていく。
今回は発売前の先行プレイということで,単身ミッションに挑むことになったが,人数が足りない場合はNPCが補助人員として参戦してくれる。さすがに人間と同等とは言い難いが,プレイヤーに追従して最低限の働きはしてくれるので,慣れれば1人でも遊べないことはない。
とはいえ,ソロプレイのミッション攻略はかなり難しく感じられた。これには筆者の腕前が足りない部分もあるとは思うが,難度を最低に設定したうえでも,最初のミッションで何度もゲームオーバーになってしまった。スキルを用いて連携するのが重要な作品なので,どうしてもNPC任せだと難しくなる。
少なくとも,キャラクターを成長させるにあたって必要な最低限の経験値や資源を獲得するまでは,ランダムマッチングで仲間を募って戦ったほうが賢明だろう。ある程度育成を進めて,1人で攻略するスキルが身についてきたらソロでの攻略に挑む,という流れは悪くないと思う。
今回,筆者がプレイしたのは序盤だけだったが,それだけでもWH40Kらしい力の入りっぷりを強く実感できた。日本語訳の品質も高く,歯ごたえのある三人称視点アクションとして素晴らしいいクオリティの作品に仕上がっている。このジャンルのファンであれば,WH40Kファンに限らなくても楽しめるはずだ。
ただ,チュートリアル要素の少なさ,目標地点への誘導の弱さなど,ユーザビリティの面では気になる部分もあった。WH40K固有の用語がバリバリ出てくるにもかかわらず,それに関するサポートが少なめなところも惜しい。いつでもチュートリアルを参照できる仕組みや,世界観に関する辞典など,システムと世界観の両面に初心者を助ける要素があれば,より良い作品になるかもしれない。
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